胴のふとい毒ウサギがうちに来たのは
何年前かは忘れたけど
10月10日の、「目の日」
その日、
私と家の人は、せっかくのデートの帰りケンカをしてしまった
一緒に家に帰らず、私はプイと他所へ道草をくいに
近所のショッピングセンターをぶらついていたら、
小うさぎのカゴがでていた。
普段はうさぎ用ゲージに数匹おさまっているだけなんだけど
その日は、一つのかごに10匹くらいが入っていて、人だかりが出来ている
じっとのぞいて見たら
他の赤ちゃんうさぎは皆、藁のお布団の上でくうくう眠っているのに
一匹だけ、目をランランと怒らせてお八つを食べていた
もりもり、もりもり食べていた。
アパート暮しだし
動物のお世話なんて、と、思いつつ
気がついたら
「 このひと、ください 」
と、お願いしていた
動物店の奥さんは、ヒョイとその子を持ち上げて
お尻をチェックして
「 うん。
この子はお尻もきれいやし
ご飯もモリモリ食べてるし、丈夫な子やね 」
と、太鼓判を押してくだすった
その通り、とても丈夫で
耳が沸いたときと、
尻におできができたとき以外は、病院のお世話になっていない
もっと小さい頃は、
手の平に乗るくらいのチビ太だったから、よくネズミにも間違えられた
宅配さんがきてくださると
私の後ろを追って、廊下をタタタと走ってくる毒ウサギを見、
「 キャー、 ねずみー 」
って、おどろかれたものだ
たしかにドブねずみみたいに胴も太いし、茶鼠色だしな
まちがわれたとてしようがない