夜更け、
用事をしていると、背中越しのテレビから小唄がきこえてきた
「 ビビってる~、ビビってる~
ピッチャー、ピッチャー、ビビってる~ 」 だって
なんだ! そのくだらなさは!
ある芸人さんがいうには、少年野球チームで相手を野次るときの掛け声らしい
男子のなんじゃそらは、到底女子には理解できない
しかし、くだらなさすぎて死ぬほどおもしろい くやしい
すると、うちの旦那さんも 「ビビってる~」 とか歌い出した
わかるわ、
やけに耳について、つい諳んじてみたくなる魔力があるものね くやしい
だが、私が思っていたのとちがう理由で歌い始めたという
彼はむかし自分もバリバリに野次っていたと言うじゃないか
ちょっとまって!
あなたは野球なんかするタチじゃないでしょ、ましてやチームになんか・・・
もっと深く聞くと、
ともだちが公園で試合をしている傍らで、ひとり自転車でぐるぐるまわりながら
「 ビビってる~ 」 つてはやし立てていたらしい
!
ひとり大回転で、なかよしのチームの援護射撃をしていたそうだ
むう、
目にうかぶ
チームと何の関係もない半ズボンをはいた外野のぼうずが、ベンチからでなく、
端っこでくるくる、くるくる
「 ビビってる、のとこを、バビってる、ていうときもあるんやよー 」 とも教えてくれた
・・・・・・。
わたしは目を糸みたいに細めて旦那さんをみつめた
わたしは、わたしの夫が彼でよかったと心底思うた

*画像お借りしました