先日、山中慎介選手・長谷川穂積選手の
WBC世界バンタム級タイトルマッチと、
IBF世界Sバンタム級タイトルマッチのダブル世界戦が放映されていた
勝者と敗者のくっきりと明暗がわかれた結果に
格闘技の酷な光景を垣間見る
勝負の結果はどのスポーツもドラマがあるが
ストレートに身体をぶつけあう競技には見る側にも覚悟がいって、
目をおおうよな肉体の崩壊、生死のはざまの瞬間にたちあうばあいもある
両選手はすでに
何度も防衛をはたしている世界屈指の名チャンピオン
長谷川選手は階級をかえての三階級制覇への挑戦だ
結果、山中選手は何度もダウンをうばう9回T11秒KO勝ち
終始圧倒した強さで 「 神の左手 」 の貫録であった
一方、長谷川選手は7回1分20秒TKO負けを喫す
顔はひどく腫れあがり、右眼窩底骨折、鼻骨の骨折で崩れ落ちた
マットに倒れた長谷川穂積選手は
敗者を抱えるよう安否をたしかめるレフリーに、二度ほど大きく笑って答えていた
血に染まったマウスピースもぐちゃぐちゃだった
そしてリングサイドで、ぼろぼろの夫を見つめる夫人も笑顔だった
長谷川選手は
じぶんの奥さんには泣かないでほしい
勝っても負けても笑っていてほしい
彼女の泣いた顔はみたくないんだ
と、言っていらしたそうだ
夫人はそのとおりになさった
血まみれで腫れあがったお顔は、けっして敗者のものではなかった