去年だったか、おととしだったか、よくおぼえていない
下鴨神社の古本市に行ったかえり
ちかくにあって、ときどきおじゃまするyugueという喫茶店でひとやすみした
メニュウがどれも、小粋で、お味もよくて
いつも空いているので(失敬)、気にいっている
お若い奥さまは、
森の中であかずきんちゃんの赤いマントを着ててもおかしくないよな愛らしさ
お若い御主人は、
チャップリンの映画にでてきそうな、くつみがき少年のごときお人
席について、注文をききにきてくだすったとき
無口なご主人が、脇においた紙袋をみて
「 古本市に行ってこられたんですね 何の本を買われたんですか? 」
と、たずねなさる
「 壺です。 壺を買ってきました 」
と、言うたら、ひっくりかえってらっしゃった
なぜかその日は、本も物色するだけしといて
本の横にごろんと転がっていた壺をみつけ、
おじさんが 「 三百円でいいよ 」 というから抱えて帰ってきたのだ
壺、というか、花瓶だろうね