デパートにでかけようと、バスに乗った時のはなし、
一番後ろの長席に座った。
右端には、かわいいギャルがお二人たのしそう
途中、すてきな常着をお召しなった男性が、間にお座りになった
その年配の男性は、
白い髪をサエキ・チズさんみたいにきれいに散髪して、
お肌はつるつるで、
着物の様子や物腰が女性ぽい
ご自宅で小唄や踊りなぞを教えてらっしゃるお師匠さんかな、と想像したりする
気になって、遠くを見るふりをしつつ、盗み見た
耳の後ろからお首も、真っ白できれい~( その時点で、すでに「チラ見」ではない )
さすが、お師匠さん、
席につくなり、手元の紫色した布袋から、一つケースを取り出した
それはハンドクリームで、
乾燥した冬の空気から守るよう、丁寧に丁寧にすり込まれている
お年を召すと手の甲からしなびていくものだが、お隣のすいな御人の手はつやっつや
すてきだね
女だって出かけ先にチョイと塗るくらいなのに、たしなみを感じるね
お師匠さん、
クリームを塗り終わったら、
向こう隣のお嬢さん達がキャッキャ、キャッキャと読んでいるギャルファッション雑誌をのぞきこんでいらした
さすが、麗人
ファッションや美容に対して、貪欲である。