いつものことだけど、
検査通院のあとは私のような者でも、なんとのうおセンチになってしまう
なので毎回、帰り道には気分をあげるため
おいしいものをたべたり、ささやかな楽しみを見つけに行ったりするのだ
今回は、美しいものにふれましょう、と
贔屓のケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが出演している映画
「 キャロル 」 を選んでみた
あらすじや脚本に強く引き込まれる、といった類の作品ではなかったが
まあ、おふたりの魅惑的なことよ
「エリザベス」で、はじめてみたケイトにも後ろから脳天をはたかれた気がしたが
今回の圧倒的なマダム感には、髪をむんずと掴まれて吊り上げられたような衝撃
迫力とエレガンスを備えた裕福なマダムそのものだ
とりわけ、彼女の声と話し方の優雅さにはあらがえない力がある
ルーニー・マーラは、
あのエキセントリックな 「 ドラゴンタトゥーの女 」 の彼女と
おなじ人物とはおもえないくらい素朴な少女で
いや、あのパンキッシュな風貌のルーニーの役柄こそがもっとも無垢だったのかも
はからずも両方の作品で、彼女は圧倒的に魅力的な男性と女性に魅了され、翻弄され、
心を痛めてしまうところも重なった
とにかく、ふたりの女優のうつくしさをみるための映画である
あー、すてきだったわね~
余韻をたのしみながら、千本中立売の 「 神馬 」 さんの暖簾をくぐり
てっさと、鰤大根をあてに、熱めのお銚子を一本つけてもらう
かえるころには、
おセンチな気分はすっかり晴れていた
女性にとって、ごちそうと麗人は、なによりの回復剤である