今、NHK教育の、みんなのうたでは
「 エレファン 」という象の母子の歌がながれている
どういう歌詞かというと、
甘えん坊の子象が、やさしい母象におねだりをして
母象はこどものわがままを叶えてやろうとしたが、
銃にうたれて亡くなってしまった
子は泣いた
という曲
親子の情愛の、ある意味愚かさと、
どうしようにもない愛の深さが淡々とうたわれている
うたっているのは手嶌葵さんで
スタジオジブリの映画曲によく起用されていて
宮崎映画、というと、
映画自体はあまりはっきり憶えている作品はないのだが
彼女のうたう曲だけは、とても耳にのこっている
世にすばらしい歌手はおおぜいいらっしゃるが
ときに、唄うためだけにうまれてこられたのだろうな、
と思えるひとがいて
そういう人は、「 うたいたいから 」 というよりも
このために命を授けられ、
そのために与えられたれた使命、とでも言おうか、
吐息を吐くようにくちびるから歌がながれ出で
話すようにうたい
唄うように話すがごとく、
言葉と歌と呼吸の境目がわからないよな趣がある
ミュージシャンとか、アーティストとか、歌い手さん
などという呼び方の似つかわぬ
ただ、ただ、彼女は 「 うたう人 」 なのだと思う