ことしの夏は、
各々の実家まわりで、心配ごとなぞがざわざわとあって
いつものお盆より、ばたばたと落ちつかない用事もふえてきて
こんなふうだから、
夫婦共、このじきにやってくるお誕生日もみすごしがちになっていた
本人がそうでも、家族や、まわりの友人たちはやっぱりかわらずあたたかく
メールや葉書や、贈り物なぞで気持ちをあかるくさせてくれる
歳をとって涙もろうなってきたのもあるのだけど、じつにじんときた
そのなかに、
いちばん付き合いの長い友から、ハッとするような花入れの贈り物
たおやかでやわらかく、ものしずかで、すっと背筋がのびている
いつもおもうが、
友らはくわしい近況を知らないのに、
そのとき欲しい空気をまとったなにかが贈られてくるから不思議である
愛情が
言葉や、品や、やさしい声にすがたをかえて、やってくる