「 南極物語 」 という映画と 「 弁当夫婦 」 という映画をみた
おいしそうな料理のシーンがたくさん出てくる、という前触れだったので
映画やら小説やらに登場する食事場面が大好きな私は、たいそうたのしみにして
が、
鑑賞後、どちらも、あんまり、なぜだか、そそられなかった 食欲がわいてこなかった
年中、食べ物のことばっかりかんがえている腹空かしの私が、だ
とてもふしぎであった
かんがえるに、
もし理由というものがあるなら、こういうことかな
今は、ほのぼの系というか、まったり系というか、普段の食事系というか、のが人気で、
「野心はありませんよ」 的なほうが格好良い流行りになってて、
無心な無邪気さとはどっかちがう邪気、みたいな感じを受けてしまったのだ
向田邦子のドラマや
赤毛のアンの小説なぞとにつかわれる描写には感じない、
『べつに料理が主役ではありませんよ』 といいながら、普通ぽくて素敵でしょ、的な
野心を隠しているのに、隠れてなくて、脂ぎり感ムンムン的な、というか (←)
この二本だけでなく
ここ数年の邦画をみてて、なんとなく、ばくぜんとそんなことをおもった
映像で 「そそられる美味さ」 を伝えるのは小説なぞの活字でうける威力に比べ、
尋常じゃないほどたいへんで、並大抵ではないのかもしれないな
ここ数年、
映画をみおわって、すぐさま口がそれになったのは
ウィルスミスの 「ハンコック」 にでてきた、
ねたくたで不格好でだまだまな、ミートボールスパゲッティだけ
とてもまずそうなのに、
たまらなく食べたくなった皿だった